けんかの中で育つもの2016年04月19日更新

仲良く遊んでいると思ったら、おもちゃを取り合ったり、相手をたたいてしまったり。子ども同士関わる中で、ちょっとしたトラブル・けんかはつきものです。そんなときに、どのような言葉をかけ、どう導いてあげればよいのでしょうか。

けんかは大切な経験

子どものけんかが気になり始めるのは、2歳を過ぎた頃ではないでしょうか。兄弟がいる場合には、もっと早いかもしれません。この頃は、子どもはママと1対1の関係から、他の人への興味が広がり始める時期です。しかし、まだまだ自分が中心ですから、遊びたいおもちゃがあると、他の子が使っていても横から奪ってしまったり、子どもによっては、言葉より先に手が出てしまうこともあるでしょう。
子ども同士が衝突すると、周囲の人の目も気になり、トラブルを避けようと親は急いで解決しようとしがちです。おもちゃの取り合いが始まった途端、子どもの気持ちを聞かずに、「貸してあげようね」と親が相手に渡してしまうこともよくあります。しかしこれでは、「遊びたいのにできなかった」「自分は遊びたいのに貸さなければいけない」という理不尽な思いを味わい、もやもやした気持ちが残ります。けんかは子ども自身が自分の思いを存分に表す場でもあり、また、相手の気持ちなど様々なことに気づく大切な場でもあります。我慢ばかりさせていては、子ども自身不満がたまり、相手の気持ちを考えるチャンスが少なくなり、社会性が育ちにくくなってしまいます。社会性とは、人との関係を調整する力です。おもちゃの取り合いで泣くこともあると思いますが、それも子どもの成長過程で必要な経験です。

貸してあげられるのが、いい子?

3歳頃までは特に、子どものペースや思いを優先してあげましょう。あるがままを受け止めて肯定してもらう経験が、子どもには必要です。自分の思いを大事にしてもらい、心が十分満たされると、人の気持ちを思いやることができるようになります。子どもがしたいようにさせて、満足するまで待ってあげましょう。
「友だちに貸してあげられるのがいい子、やさしい子」というのは、大人の一方的な価値観です。今、一生懸命に遊んでいるおもちゃを、簡単には人に貸せなくて当たり前。むしろ「イヤ」(今は貸せない)と自分の気持ちを表現できたことを受け止めてあげましょう。
友達同士のトラブルを避けるには、我が子が「したい」という思いを抑えることになります。親が、相手に貸してあげることをいつもしていると、子どもは自分の気持ちを抑えないといけないと思い、興味や好奇心の芽をつんでしまうことにもなりかねません。
また、元々根が優しくて、人と衝突するのが嫌いな子もいます。そのようなタイプの子は、逆に「イヤって言うのよ」と無理に言わされるのが苦痛なこともあります。その場合はママが代弁して、相手の子に伝えてあげましょう。子どもはそれだけで、自分の気持ちを肯定してもらえたと満足できるものです。わが子のタイプに合わせて、肯定的な言葉がけを心がけましょう。

兄弟げんか

兄弟げんかは、つい上の子を叱ってしまいがちですが、けんかの原因の多くは、「ぶつかった」「物を取った」など些細なことが多いものです。兄弟げんかを始めたときは、年齢にもよりますが、ママはすぐに口を出さず、少し離れて、様子が分かる位置から見守るようにしましょう。ママの目がないと、本人同士で「ごめんね」「じゃあ貸してあげる」など、解決しようとすることもあります。でも、手が出て叩き合いになったり、どちらかが泣いている場合には、ママの出番です。落ち着かせて、両者の言い分を聞いてあげましょう。お互いの気持ちに共感し、言葉で代弁し、中立の立場で接するようにしましょう。

トラブルへの関わり方

まだ言葉が出なくても、1歳半を過ぎたら、言われていることはわかります。トラブルが生じた時、その都度、自分と相手の思いや解決方法のヒントを、言葉にして解説してあげましょう。すぐに理解できず、また同じことをしてしまっても、繰り返し伝えることが大事です。
例えば、集中して遊んでいるおもちゃを取られそうになった場合の、「イヤ」は子どもが心を素直に表現した意思表示。「今はこれで遊びたいんだよね」と気持ちを受け止め、次に「お友達も遊びたいって」と相手の気持ちを代弁します。その後で、「待っててねって言おうか?」「違うおもちゃもあるよって教えてあげる?」というように解決方法を提案してみましょう。貸してあげられない気持ちを子どもが伝えられない場合は、相手に「今は貸してあげられないんだって、ごめんね」と状況を説明してあげましょう。
自分が「イヤ」と言った時に、相手が悲しそうな顔をした、その様子を見てはじめて、子どもは相手の気持ちを感じとることができます。そして、自分はどうすればいいのかを考え始めます。経験を通して学ぶことで、しばらく遊んだ後で自分から「どうぞ」と貸してあげられたり、別な解決方法を提案できるようになっていきます。
自分で考えて「どうぞ」と貸してあげられたら、それは自分の遊びたい気持ちを抑えて、相手の気持ちを思いやっているということ。ママはその気持ちをいっぱい褒めてあげましょう。

けんかの仕方の、年齢による変化

1~2歳

自分のおもちゃが誰からも横取りされずに、安心して遊べる環境が大切です。自分の世界が守られて、満たされることで、次のステップに進めます。

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隣で遊んでいる子のおもちゃを奪ってしまうのがこの時期からです。一見良くない行為に思えますが、自分の世界を広げようとする、発達上大事な経験です。うまくおもちゃを手に入れられることもあれば、失敗することもあります。相手の子にたたかれたりして、嫌な経験もします。そうした経験を繰り返しながら、「この世の中はうまくいくことばかりではない」という、大事なことを子どもは知るのです。

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すると次に、どう交渉するか、どう仲良しになるかを試行錯誤するようになります。自己主張するだけでなく、自分の持っている物を差し出してみるとか、いろいろなやり方を試みながら、相手の気持ちを損なわずに、自分の思いをどう通すかを考えます。
相手の気持ちが分かるようになり、劇的な発達をする時期と言われています。友達が三者関係になってくるので、人間関係が複雑になりけんかなどのトラブルも増える時期です。

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自分の気持ちを言葉で伝える力がついているので、たたくなどのけんかより、言葉でのけんかが増える時期です。同時に子どもたちだけで仲直りする力も育っています。
その年齢になれば全員がそうなるというわけではありません。「取った、取られた」の経験から、たくさんのけんかをして、相手と交渉していく練習を積み重ねることで社会性が身についていくのです。子どもが実際にあったことをきちんと伝える練習をし、自分の気持ちを親や他の子に伝えることを、けんかを通して学べる機会にできると良いですね。

参考・引用:子どもと私が育つ!楽しむ!育児情報雑誌miku
「子どものけんかに親はどう関わるか?」
あんふぁんWeb「ケンカ体験はタカラモノ」

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